東日本大震災を経験した理系学生に、復興に向けたエンジニアの役割や仕事に対する意識の変化などを質問し、その答えを紹介する連載企画。今回は、「技術者としてどのように働きたいか、震災の前後で意識が変化したか」、そして「日本が震災前の状況に復興するのはいつ頃だと思うか」について聞いてみました。

 3月11日に発生した東日本大震災は、製造業の現役の技術者だけではなく、将来の技術者を目指す理系学生にも大きな影響を与えたことが、今回のアンケートから分かりました。具体的には、震災を経験したことで、社会インフラの重大さを思い出したり、自然災害に弱い現代社会の問題点を突きつけられたと感じたりする理系学生が多くいました。そこで、技術者としてどのように働きたいか、震災の前後で意識が変化した理系学生がどれくらいいるのか、聞いてみました(Q3)。

Q3 技術者としてどのように働きたいか、震災の前後で意識が変化したか。(いくつでも)
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 上の図から分かるように、今回のアンケートでは全体の約1/3の理系学生が、仕事に対する意識などが変わったと答えました。180人の回答者のうち55人が「仕事に対する意識が変わった」、9人が「希望する業種が変わった」、6人が「希望する職種が変わった」と回答しています。

 それでは、このような理系学生の意識は、具体的にどう変わったのでしょうか。自由記入形式で聞いてみました。

 今回の回答で多かったのが、「人の役に立ちたい、社会に貢献したいという気持ちが高まった」という内容でした。例えば、「いざという時でも、多くの人の役に立つようなエンジニアになりたいと思った」「何かしら自分の技術が復興に役立てられないか考えるようになった」「単にお金を稼いで、自分の実力を付けるために働くというイメージから、自分が働くことで誰かのためになるのではないかと思うようになった」といった回答です。