震災後、日本は、復旧・復興へと動き出しました。日本復興のためには、社会インフラを安定で持続的なものに強化したり、都市や町を災害に強いものにしたりしていかなければなりません。Tech-On!Campus読者の理系学生の皆さんは、日本復興に向けた技術や技術者の果たすべき役割について、どう考えているのでしょうか。次の質問で聞いてみました(Q2)。

技術や技術者の役割
Q2 日本復興に向けて、技術や技術者の果たすべき役割をどう思いますか。

 その結果、「非常に重要」という回答が全体の3/4以上を占めました。「重要」という回答と合わせると、全体の9割以上に達しています。Tech-On!Campus読者の理系学生の皆さんも、復興に向けて、技術や技術者の果たす役割は大きいと考えていることが分かりました。それでは、なぜ、技術や技術者の果たす役割は大きいと考えているのか。理由について、自由記入形式で聞いてみました。

 今回、学生の皆さんが挙げた理由からは、大きく三つの傾向が読み取れました。

 第1は、Q1の回答で最も多かった「インフラ」に関するものです。特に、電力問題の解決に、技術や技術者の果たすべき役割は大きいとするコメントが数多くありました。例えば、「エネルギー供給のための新エネルギー開発が必要な点で、技術者の役割は大きい」「新しいエネルギー源を作らなければならないが、そこに技術者の力が求められていると思う」「クリーンな発電技術の実用性を向上させることが技術者の責務」といった回答です。

 発電だけではなく、省エネや節電、電力の有効利用の視点からもコメントも目立ちました。「エネルギーの浪費を防ぐための低消費電力の製品やシステムを作ることが重要な使命」「スマートグリッドなどに対して大きな力になれる」「地震や津波の被害を直接受けていない地域も節電を強いられているが、電力供給所が分散化すればこうなることはない。そのためには、エネルギーの地産地消に向けた技術開発が必要」などの意見がありました。

 第2は、やはりQ1の回答でも多かった「自然災害」への対策に関するものです。「自然災害は防ぎようがないが、技術でそれらから人命を守ることは可能」「防災技術や救助ロボットの開発など科学技術の向上により解決すべきことがたくさんある」「安全な機械や輸送手段を作るのは技術者」「商品開発の段階で、エコに加え、災害への影響も考えなければならなくなった」といったコメントが数多くありました。

 第3は、日本が経済的に復興するためには、技術や技術者の役割は大きいとする意見です。「復興に必要なお金も、海外で日本の製品が売れないと入ってこない。技術者はあらゆる技術を駆使し、世界一の製品を作り、それにより国を活性化させる必要がある」「リッチなサービスを提供するには、ますます技術力が重要になってきており、技術をないがしろにすると復興どころか日本全体がつぶれかねない」「出来なかったことを出来るようにする。その競争を本質として稼ぐことができるのは、技術者や研究者である。パイを奪い合うのではなく、パイを大きくしていく力が技術者にはある」といったコメントがありました。

 今回の震災を技術によって乗り越えようとする前向きな気持ちが、アンケートに協力してくれた理系学生の皆さんから、大いに伝わってきました。