C1.自己を理解する

 ほとんどの学生が所属する、やりたいこともわからない、勉強にも自信がない学生には、まず、自己を理解することから開始します。働くとは、学生と社会人の違いとは、など自己の中にある働く価値観を知る作業です。「やりたいこと」や「学びを活かす」以外の仕事の選択肢があることを教えていきます。

C2.ニーズを汲む

 やりたいという進路の方向性が曖昧で、学びへの自信は多少あるという学生には、ニーズを汲む、つまり、市場が求める人材を知ることから始めます。相手が求めることを知ることで、学びに自信が持てるように行動していくことができます。

C3.学びを証明する

 やりたい進路の方向性は曖昧だけれど、学んだことに自信はある、あるいは、今の学び舎が職業につながっている学生は、学びを証明することから始めます。学びの証明は、研究概要やポートフォリオだけでなく、履歴書には必ず学びを書く欄がありますから、人に言える学びを準備していきます。先輩の歩いた進路から、進路の方向性を見出していくことも意図します。

 お気づきですか。

 9ケアモデルのC1から右45度の方向にA3に向かって、根性論で導くところに一番「怖い」が発生しやすいのです。立ち止まってしまっている学生に「あれもこれもせよ」と急かしたり、いきなり「何がしたいの」と詰問したり、あなたの「生きがい・やりがいを探そう」と鼓舞したりしても、迷いと恐怖は複雑化するばかりです。目の前の学生がどの位置いるのか、という見立てを持ち、個人に合わせた具体的な情報の提供で、一段ずつ階段を登らせていくことが理想なのです。

 その「怖い」はどこですか?

 次回からは、9ケアモデルの中から、具体的な一つの事例を取り上げてお話してまいります(下図)。

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