あなたは、「職に就く覚悟」を、いつ、どこで感じますか。

茶色い髪を黒く染めてきたとき?
サイズの合わないスーツを買い直したいと親にお金をお願いできたとき?

そうですね。社会人としてふさわしい身なりの準備を始めるときには、もう心の準備ができたときです。職に就き、自立した生活に向けて、潔く行動するためには、「覚悟」が先立つことが必要なのです。

就職塾向日葵で私が、支援してきた学生は、その「覚悟」ができずに悩んでいました。他人から見たら「そんなこと?」と思えるようなことに、「なんでそんなに?」というほどに悩み、足がすくみ動けなくなっていました。進路という正解のない選択、就職活動という基準のない場面を、いつしか学生は、「怖い」と表現していました。彼らの十人十色の悩みに、怖い?どうして?どうすればいいかな?と真剣に悩み、考え、一緒に調べ、時に叱り、時に慰め、親とも話してきました。そうして、気がつくと学生は前を向きまっすぐ社会に歩きだしていました。背中こそ押されたものの、自分の足で一歩を踏み出した表情は、ちゃんと「怖い」から「覚悟」に変わっていました。

Tech-On!Campus コラム『就職活動は怖くない』は、学生の悩みの分岐点で、方向性を探り、歩き出す覚悟をつくってきた「処方箋」集です。なぜ、目の前の学生は、歩き出すことができたのか、彼らの悩みの経緯に従って、与えた情報、かけた声等を、示した図も添えて綴ってまいります。もちろん、100人いれば、100人の悩みがありますから、その解決方法もさまざま、必ずしも全員に使える解決方法ではないかも知れません。しかし、学生一人ひとりと向き合って一緒に処方してきた考え方や、言葉が、誰かの明日の一歩を踏み出す勇気になることを願っています。

こんな時代、こんな時だからこそ、届けたい処方箋です。

大丈夫、就職活動は怖くない。

上野 香織(うえの・かおり)
就職塾向日葵 代表取締役
上野 香織(うえの・かおり)

東証一部上場企業の人事担当者としての経験を活かし、大学・短大・高専・高校でのキャリアガイダンスや就職講座、親子の就活講座、教員FD研修の講師を務めるかたわら、就職塾向日葵(http://www.job-can.com)を主宰。塾生は世界中どこにいてもインターネット環境さえあれば完全個別マネジメント&プロデュース。Eラーニング教材、スマートフォン用就活アプリもリリース。ブログ「本当にあった就職活動の話」(http://shushoku.air-nifty.com/blog/)やツイッター(@ueno_himawari)でも情報を発信。厚生労働省指定キャリア・コンサルタント能力評価試験合格、JCDA認定CDA(Career Development Adviser)。マイゴールは「就職活動できない理由を全部つぶす」こと。