学 生:お母さんが、そんなに何社も企業を受けてはダメって言うの
向日葵:お母さん、理由を言っていた? 
学 生:たくさん内定が出て断るのが大変だからって
向日葵:1・2社では平常心で話をできるようにならないよ。というか、そんな簡単に受からないよ
学 生:でも、お母さんはたくさん受けちゃダメっていうから

 向日葵と学生の会話です。

 お母さんは自分の知っている範囲の知識で「そんなにたくさん受験をしたら断るのが大変」とアドバイスをしたのですが、できれば楽をしたいと考えている子どもには渡りに船でした。30社受けても内定取れないかも知れない不安はあるにも関わらず「できれば就職活動したくない」という気持ちに流れてしまいました。

 親の世間知らずは、子どもの行動を止めます。

就職活動の知識 ―世代を超え、子を正しく励ますために―

 親子の就職活動を比較します。

 親の時代、大学進学率は4人に1人だったのに対して、今は2人に1人以上が大学に進みます。そんな誰もが大学に行く時代になった今ですが、仕事に求めるのは「天職」「適職」「やりたいこと」。採用市場が激減しているというのに、親の時代の「とにかく職に就いて食っていかなければ」という感覚は最優先ではないような風潮があります。

 今の就職活動は、パソコンがないと出来ません。就職情報の収集は企業のホームページや就職サイトから行います。会社説明会の予約もウェブから予約しますし,応募や書類提出もウェブからエントリーします。筆記試験もインターネットで受けるんです。1万人近くが応募する上場企業は、ウェブで学生をさばいていきます。

 もちろん、昔ながらの会社訪問、履歴書郵送、一般常識試験、をしているところもあります。ただ、応募人数が少ない中小企業がほとんどです。

 世代を超えて、子を正しく励ますために、就職活動の違いを認識してください。