次に,技術者・研究者を目指す理由を,Q4で技術者・研究者を目指していると回答した255人に聞きました(Q5)。すると,「新しい技術や製品を開発したい」(53.7%),「自分のアイデアが盛り込まれた製品を実際に世の中に出して,使ってもらいたい」(52.5%)と,二つの選択肢が半数を超えました。世の中にない新しいものを開発するには,やはり技術者・研究者が一番だという意見が反映されたようです。3番目以降に上位にランキングされた「自分が考え出した工夫や発想を,開発や製造などに応用したい」(45.1%),「世界最先端の研究や開発をしたい」(32.5%),「これまで世の中になかった技術や製品を生み出したい」(31.0%)という選択肢に関しても,いずれもが「新しいものを生み出す」という技術者の魅力にひきつけられたものでした。

 自由意見としては,「量子コンピュータに少しでも関わりたい」「今の車をよりよいものにしたい」などの,現在の専門性を活かしたいから技術者を希望するといったものが多い一方で,「今さら別の道が考えられない」といったように,理系進学がイコール技術者と考えている人もいました。

Q5 “技術者・研究者(大学等の教育機関を除く)”を目指す理由は何ですか(三つまで)
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 では,技術者・研究者として,どのような会社で働きたいのでしょう(Q6)。Q5と同様に255人に聞いたところ,1位だったのは「新しい技術や製品の開発に積極的な会社」で約半数の人が選択しました。繰り返しになりますが,技術者の醍醐味は「新しいものを生み出す」こと。この部分を大事にする会社,すなわち技術者を大事にしてくれる会社を望んでいるという結果です。

 第2位は「仕事をしながら自分の実力が高められる会社」(44.7%),そして第3位は「自分のやりたいことを企業の強味として持っている会社」(35.3%)。自分のやりたいことが企業の進む方向性と一致し,そしてそれを実践することで自分の実力が高められれば,技術者としては最高の環境と言えるでしょう。

 意外だったのは,「給与水準が高い会社」を選択した割合が7.8%と非常に少なかったことです。給与は高いに越したことはありませんが,それよりも「仕事そのもののやりがい」が優先された結果だと思います。

Q6 あなたは、技術者・研究者として、どのような会社で働きたいですか(三つまで)
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