日本能率協会は,2010年度の新入社員を対象にした「会社や社会に対する意識調査」の結果を発表した(PDF形式の発表資料)。同協会では,「会社や社会に対してどのような意識や価値観を持っているか」の調査を毎年実施している。今回の調査結果では,終身雇用や年功主義を望む安定志向が強まっている傾向が見られたとする。
例えば,転職・独立志向についての質問では,「定年まで勤めたい」という意向が年々上昇傾向にあり,長期雇用を望む新入社員が半数(50.0%)を占めた(図1)。また,「実力・成果主義」と「年功主義」の会社のどちらで働きたいかについては,ほぼ半々(実力・成果主義49.1%,年功主義50.4%)となった。2006 年度と比べると年功主義が15.8 ポイント増加しており,年功主義志向が強まっている様子が見て取れる(図2)。
新入社員が安定志向を強めている背景には,将来に対する不安感の強さがあるようだ。「10 年後の日本社会はより良い社会になっていると思うか」との質問に対しては,「なっていないと思う」という回答がおよそ半数(46.0%)を占めた(図3)。