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識者からのエール

良い会社,悪い会社とは

崇城大学 副学長(元ソニー執行役員副社長)中村末廣氏に聞く(第3回)

  • 田中 直樹=Tech-On!
  • 2009/11/20 00:00
  • 1/3ページ

 前回に続き,会社のことについて,日本を代表する企業であるソニーのテレビ事業を牽引してきた中村末廣氏(現・崇城大学 副学長,元・ソニー執行役員副社長)に聞いた。良い会社,悪い会社とは何か。そして,日本のものづくり企業が「良い会社」となるための処方箋を,大いに語ってもらった。


――中村さんが考える「良い会社」とは?

中村末廣氏
中村 末廣(なかむら・すえひろ)氏
1959年,ソニー入社。テレビ事業本部長,ディスプレイ,セミコンダクタ,コアテクノロジー&ネットワークの3カンパニーのプレジデントを歴任。平面ブラウン管テレビ「ベガ」の開発をリードし,ブランド確立に導く。2002年に同社執行役員副社長を退任。ソニー中村研究所代表取締役社長を経て,現在は崇城大学 副学長を務める。 (写真:栗原 克己)

 一言でいえば,“真の付加価値”を追求している会社です。これをまじめにやっていれば,会社は健全に運営できます。おかしくなることはありません。

 真の付加価値を追求するというのは,難しい話ではありません。まず,創造的な商品・技術を作り出すことです。無から有を生み出す。これは,最も付加価値の高い仕事です。もう一つは,作業のムダを省き,効率よく仕事を進めることです。例えば,鉄板を曲げたり,鉄を熱処理して軟鉄から鋼鉄にしたりするのは付加価値ですが,鉄鋼製品をある作業場から別の作業場に移すことは付加価値ではありません。こうした作業はムダですから,できるだけ減らして,効率よく仕事をすべきです。これらのことを地道に進めている会社が良い会社です。

 企業では,設計・開発,製造,販売などが一貫した業務の流れとして存在し,それぞれの業務ごとに真の付加価値とムダの部分があります。大切なことは,一つひとつの商品ごとに川上から川下までをとらえ,どうすれば全体として最も価値が高くなるのかを考えることです。この「全体最適」を追求している会社は,良い会社といえます。

――例えば,「賃金が安いから中国に進出するという考えでは,全体の利益を失う」と中村さんは主張していますね。

 単純に,賃金が安いから中国で生産する,という考えで中国に出て行くのは間違いです。「タイム・トゥ・マーケット」を考えれば分かることです。これは,おにぎりに例えると分かりやすい。中国で売るおにぎりは中国で作るのが良いのですが,日本で売るおにぎりは日本で作るべきです。賃金が安いからといって中国で製造したおにぎりを輸入しようとしても,おにぎりが日本に届くころには腐ってしまいます。

 これは,テレビも同じです。「おにぎりは腐るけれど,テレビは腐らない」と言われるかもしれませんが,テレビも腐るんです。どう腐るかというと,ヨーロッパで売るテレビを中国で製造するために,中国の製造会社に3カ月前から発注するわけです。彼らが2週間くらいで製造し,船積みするのですが,ヨーロッパに届くまでに4カ月くらいかかるんです。4カ月経つと,われわれの競合会社が値段を下げていたり,新しい機能を搭載して付加価値を高めてきたりしているわけです。そうした動きに追従しないと太刀打ちできません。

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