「人間は感情の動物である」と言ったのは誰だったでしょうか。私たちは皆、毎日の暮らしの中で、笑ったり、怒ったり、泣いたりしながら生きています。でも、今自分が感じている感情が何なのか、自分自身でも分からない、定義できない。そんな混乱状況に陥った時、あなたはどうしますか? 自分の感情とどう向き合いますか?

自分の心の声は聞いてあげないと分からない

 自分のことは自分が一番よく知っている、はず。でも、意外にそれが真実ではないとひろりんママは思っています。人間はとても複雑な動物です。自分がやりたいことがあるのに、やりたくないと言ってしまったり、やりたくないことをやりたいと言ってしまったり。自分が本当に求めているものは何なのか、自分自身でも分かっていない時があると思うのです。

 ひろりんママのイメージでいえば、自分自身は、自分の心の一番近くにいる双子、という感じでしょうか。ほとんど同じことを感じているのだけれど、微妙に違う感受性を持っているような感じがしています。

心の中にある振り子

 「誰でも心の中に糸で吊るされたおもりを持っている。おもりの形やバランスは一人ひとり違うから、どこをつついたらおもりが揺れるのか、どんな風に揺れるのか。それは誰にも分からない」と話していたのは、ひろりんママの亡くなったおばあちゃんです。その言葉を聞くたびに、鈍い銀色に光る金属の不格好なかたまりが一本の糸でつるされて、ゆらゆらと振り子のように揺れている様子を思い浮かべていました。それはあたかも不安定で落ち着きどころのない自分の心を表しているようで、心が揺れるとき、何度、「止まれ」「止まれ」と呼びかけたことでしょう。

 でも、振り子はとまったためしはありません。こちらの思惑など一切お構いなしに、ある方向を指し示してゆらゆらと揺れ続けます。