凡人が凡人の上に立ち、間違いを犯しながら進むのが組織

 凡人は、間違いを犯します。理不尽なことをしても気づきません。でも、「それが現実で、会社とはそのようなものだ」という認識を初めから持っていれば、不必要に傷つかずに済みます。

 会社は、あなたにいろいろな理不尽な要求をします。本来、あなたはあなたの個性のままを認められて採用されたはずなのに、採用時の長所をある日、短所だと言い募ることもままあります。女性らしい物言いをしろと言われ、角を立てるなと言われ、一方で、リーダーシップが足りないと言われ、消極的すぎると言われ。右手と左手をそれぞれに引っ張られながら、早足で前進しろと言われているようなものです。日本社会では、女性は特に不利な立場に置かれているのは、否定できません。

 でも、正直申し上げて、それに対する対処法はありません。文句を言ったところで、何も変わりません。相手がそもそも理不尽な要求をしているわけですから、そこに理屈を求めれば求めるほど、理不尽に納得できない自分が苦しくなったりします。そういう状況は、もう仕方がないと思って、突き放すしかありません。

スルーする技術も大事

 誤解しないでいただきたいのは、「そこで仕事を投げ出せ」と言っているのではありません。理不尽な要求を突きつけられた時は、それをスルーして目の前の仕事に淡々と取り組むのがベストな精神安定法だと、ひろりんママは思っています。

 学校では、成績というパフォーマンスの絶対目安がありました。その感覚で、会社の中の自分の評価やポジションをとらえると、会社の中の理不尽に出会った時に煮詰まります。しょせん、凡人が凡人にできない注文をつけながらヨタヨタと進むのが会社。そんな風に諦めと悟りを開いておくことも、雑音に煩わされがちな働きウーマンにとっては、精神衛生上、大事なポイントではないでしょうか。

 そんな風に思うと、会社の中の人間たちを意外にフラットな目で淡々と眺められるような気がします。