ひろりんママが若かったころ、一人で食事をしている女性は稀でした。仕事の都合で、一人で外で食べなければならないことが多かったひろりんママは、レストランや喫茶店で他の男性客から向けられる好奇の目が苦手で、外で菓子パンをかじったり、駅のホームでおにぎりを食べたりしたものです。若かったんですね。

 今から思えば、昼は誰かと一緒に食べなければいけない、女性は一人で食事をするものではない、友達がいない人という風に見られたくない、という既成概念にがんじがらめにしばられていたんだと思います。

 冷静に考えれば、周囲の人が好奇の目を向けていたというわけではないと思うんです。むしろ、自分で「外から見れば自分はこう思われるに違いない」という、自意識の囚人になっていたんだと思います。「この人は一緒にランチを食べる友だちや仲間もいないのか」と思われるのが怖かったんですね。愚かだったと思います。

“付き合ってもらう”人は探さない

 それから時は流れ、一人のランチ、一人のディナーは、ひろりんママにとって最大の憧れになりました。子育てしていると一人の時間はほとんどありません。寝ている時、お風呂に入っている時、そして時にはトイレに入っている時さえも、「ママ、どこ~?」「ママ、来て~」「ママ、あのね~」の嵐。一人で本を読む時間など、夢のまた夢です。

 たぶん、もうしばらくしたら、また一人の時間が戻ってくるのだと思いますが、今度、そういう時が来たら、卑屈にならずに一人の時間を楽しもう、と心に決めています。

 一人旅、一人散歩、一人歩き、一人ショッピング。たまには友人や家族と一緒もいいけれど、それはあくまで一人時間を楽しむことができるベースがあっての話。自分の行きたいところに行き、やりたいことをやる。何かやりたいことがあって、そのために付き合ってくれる人を探すことはしないようにしようと心に決めています。