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宇宙の夢、若者の夢

缶サット甲子園が目指す“人づくり”立国(第1回)

高橋 史忠=日経エレクトロニクス
2009/08/17 00:00
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 秋田県能代市にある朝内第二鉱さい堆積場。かつて鉱山廃棄物を捨てる場所だった約17万5000平方メートルの広大な土地の周辺は年に2度、熱気を帯びる。

アマチュア・ロケット開発者の聖地に
秋田県能代市にある朝内第二鉱さい堆積場。能代港の南3~4キロほどの所にある。
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 秋――。

 周辺にある日本最大級の松林「風の松原」。この辺りで採れるきのこ「キンタケ」は、地元の人々にはなくてはならない季節の味だ。シーズン最盛期には、堆積場周辺の砂利道にきのこ採りに訪れる人々の車が列を成すという。

 そして夏。

 一面に葦が生い茂る堆積場は、宇宙を目指すロケット開発者の卵にとって“聖地”に変わる。アマチュアによる日本最大規模のロケット打ち上げ大会「能代宇宙イベント」が開催されるからだ。

宇宙技術者の卵が集う

 2005年夏に始まり、今年で5回目を迎えるこのイベントには、約20の大学や団体から300人を超す学生などが集う。次世代のロケット技術と期待される、爆発物を使わないハイブリッド型ロケットなどが実際に打ち上げられ、各団体の開発成果が披露されるのだ。一般公開日には、ペットボトルを使った水ロケットの大会もあり、子供連れの近隣住人などでにぎわう。

 このイベントに2008年、目玉がもう一つ加わった。高校生を対象にした宇宙技術の競技大会「缶サット甲子園」である。缶サットは、その名の通り、空き缶を使った人工衛星だ。

缶サット競技を高校生が競う
缶サット甲子園の競技概要。高校生による缶サット競技は、打ち上げられた缶サットのカメラで地面のターゲットを写すことを競う
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 もちろん、本当に宇宙に飛び立つわけではない。ロケットで打ち上げられた缶サットは、数百メートルの上空で放たれ、地上に降りてくる。その途中の制御技術を特定のルールの中で競う。いわば、ロボット・コンテストの宇宙技術版である。宇宙大国の米国などでは、多くの学生やアマチュアのロケット開発者が取り組む競技だ。

 この競技の夢は世界、そして宇宙につながる。

 東京大学や東京工業大学の缶サット・プロジェクトは、「キューブサット」と呼ばれる超小型衛星の開発プロジェクトに発展。2003年には実際に人工衛星が宇宙へと旅立った。高校生を対象にした缶サット競技の開催は,日本では初めて。昨年は慶應義塾高校や群馬県立桐生高校、和歌山県立桐蔭高校など、全国から8校が大会に出場した。

 なぜ、能代、そして秋田で宇宙イベントなのか。

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