20世紀を代表するシンガー、マイケル・ジャクソンの突然の死は、まだ記憶に新しいところです。彼の追悼式に関連するニュースを見ていて、ちょっと驚いたことがあります。生前マイケルが好きだったという曲が、ひろりんママの好きな曲と一緒だったんです。

チャーリー・チャップリンの「Smile」

 その曲のタイトルは「Smile」。喜劇王チャーリー・チャップリンが書いた曲です。名画「モダンタイムズ」のラストシーンで使われ、いまでも世界中から広く愛されています。

Smile though your heart is aching (笑って。心が傷ついているときでも)

Smile even though its breaking (笑って。たとえ心が壊れてそうなときでも)

When there are clouds in the sky, you'll get by (空を覆う雲もいつかは必ず晴れるから)

If you smile through your fear and sorrow (縮こまった気持ちや悲しみを乗り越えて笑うことができれば)

Smile and maybe tomorrow (ひょっとしたら明日、雲のすき間から)

You'll see the sun come shining through for you (まぶしい陽の光があなたにもきっと差し込むから)

以下略


つらいときほど微笑みを

 この歌、スローでシンプルな曲ですがとっても奥が深い歌だと思います。もう亡くなってしまいましたが、ひろりんママのおばあちゃんは、明治生まれ。幼い子ども3人を抱えて戦争未亡人になり、大変な苦労をした人でした。

 生前のおばあちゃんに、相次ぐ苦労をどう乗り越えたのか、と聞いたことがあります。おばあちゃんは、静かに笑ってこう言いました。「苦しい時ほど、笑顔を心がけた。つらい時に泣いたら、ますますつらくなって自己憐憫に陥るだけ。泣きたい時ほど、にっこり笑う。笑っているうちに、困難な状況を乗り切る強さと勇気が内側から湧いてくるものよ」と。

微笑みがくれる不思議なパワー

 会社勤めをして25年。おばあちゃんと比べれば、苦労の程度など知れているひろりんママですが、それなりに人知れず涙を拭いたことが一度や二度ではありません。そんなときに、自分を励ますために思い出したのが、おばあちゃんのエピソードと「Smile」です。どんなつらい時でも、微笑みを忘れなければ、きっと希望の光が差し込んでくる。そう思って、これまで何とか苦境を乗り切り、仕事を続けてきました。つらいときほど、笑顔を。

 逆説的なようですが、微笑むことで、微笑みは逆境を乗り越える不思議なパワーを人間にもたらしてくれるように思います。もし、あなたが今つらい状況にあったり、この先、つらい状況に立ち向かわなければならないような時がきたら、ぜひ「Smile」を聞いてみてください。

 マイケル・ジャクソンの追悼式では、お兄さんのジャーメイン・ジャクソンが歌っていました。