仕事に必要な知識やスキルは,日々の業務やトラブルから学ぶ

 それでは,先輩達はどのようにして苦労を乗り越えてきたのでしょうか。ここでは,「新人の時に苦労したこと」の質問でダントツの1位だった「仕事に必要な知識やスキルを覚えること」について,聞いてみました。先輩技術者は,いったいどのようにして必要な知識を学んでいるのでしょうか(Q2)。

Q2 技術者として必要な知識は,主にどのようにして学びましたか(最大二つ選択)
仕事に必要な知識は,実際の仕事をしながら学ぶことが多い。回答数は1053。
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 Tech-On!読者の回答は,二つの項目に集中しました。「日々の業務の中で自然に学ぶ」(72.6%)と,「トラブルに直面したときに,それを解決しながら学ぶ」(63.3%)の二つです。仕事に必要な知識やスキルは,実際の仕事をしながら学んでいく。そのようなケースが非常に多いことが分かります。一方,研修や勉強会で主に学ぶ,と回答した人はそれぞれ10%以下にとどまりました。

 なお,この質問では,選択肢以外の回答を記述してくれた回答者が10%を超え,12.7%(134件)に達しました。これらの回答を見ると,「自ら勉強する」「自分で学ぶ」など「独学」とする記述が非常にたくさんありました。このような回答の数は,134件中75件におよびます。ほかにも「書籍などで学ぶ」といった回答のように,特に独学とは明記されていないものの,そう考えられる回答もありましたので,実際はもう少し多いかもしれません。

 もう一つ,先輩技術者の自由記入で目についたのが,「書籍や雑誌,専門誌,論文などで学ぶ」とする回答です。このような回答の数は,134件中50件に達しました。「自費で専門書や参考書を購入して勉強した」という回答も少なくありません。「当時は担当業務分野の技術誌,参考書が希少で探し回った」という苦労話を綴ってくれた回答者もいました。仕事に必要な専門分野の知識を身に付けるためには,専門書や技術誌を読んで勉強することも有効だといえそうです。また,書物だけに限らず,「ウェブから学ぶ」とする回答も見られました。