「給与に不満」は6割

 さて,製造業を取り巻く事業環境の厳しさが伝えられる中で,技術者は現在の給与に満足しているのでしょうか。結果は,「満足」(8.1%),「やや満足」(30.7%)の合計が38.8%にとどまりました。これに対して,「やや不満」(37.9%),「全く不満」(21.9%)の合計は59.3%と約6割に達しました(Q5)。

給与に満足していますか
Q5 現在の給与に満足していますか
満足している技術者よりも,不満に思っている技術者の方が多い。回答数は1053。

 圧倒的な差はつきませんでしたが,「技術者になって良かったと感じる」とする回答者が9割を超えた最初の質問とは対照的な結果になりました。「給与には不満だが,仕事の面白さや醍醐味,やりがいはそれを大きく上回る」という技術者の意識が見えてきます。

技術者としての夢は?

 「技術者としての今後の夢,目標」について聞いてみました(Q6)。

Q6 あなたがもつ技術者としての今後の夢,目標は何ですか(最大,三つまで選択)
最も多かったのは,「担当している製品や事業で世界のトップを取りたい」の38.5%だった。回答数は1053。

 比較的多かったのは,30%を超える支持を集めた上位三つの項目です。最も多かったのは,「担当している製品や事業で世界のトップを取りたい」の38.5%。2番目に多かったのは,「世の中を一変させる技術を開発したい」の36.6%。3番目に多かったのは,「新製品を開発したい」の31.2%でした。

 「世界のトップを取りたい」に近い回答は,その他を選択した回答者の自由記入の中からも多く見ることができました。「独立して世界のトップ企業を作る」,「研究分野の学会で第一人者になりたい」,「唯一というポジション」,「誰にも負けない技術力を身につける」などの回答です。中には,「ノーベル賞を30年以内にいただく予定」という野心的な回答もありました。

 技術に国境はありません。技術者は常に世界と勝負しています。そうした技術者の姿が,今回の回答結果にも表れているといえそうです。