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「陽断大敵」時代の産業界は?

梅谷 哲夫=日経ビジネス 編集長
2009/06/29 13:00
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 「昭和シェル、サウジ国営(サウジアラムコ)と太陽光発電~まずサウジで、新興国へ展開」――。6月24日付の日本経済新聞朝刊の1面アタマを飾った記事を見て、感慨深い思いが2つありました。ちなみに、業界用語で「1面アタマ」とは「1面トップ記事」のこと。2番手の記事はだいたいアタマの左脇にあるので「ワキ」といい、2段以上の見出しが立っている記事は「段モノ」、1段分の枠内に見出しがある小さい扱いの記事は「ベタ」と呼びます。

 第1の感慨は、単純な郷愁です。1990年代初めの新聞記者時代、日本とサウジによる石油精製の合弁事業計画である「日サ石油プロジェクト」がどう決着するのかを追いかけていました。日本側のプレーヤーは当時の日本石油、日本鉱業、共同石油で、サウジ側はサウジ国営石油会社のサウジアラムコです。取材先の自宅の前で張り込みをする夜討ち朝駆けを毎日繰り返していましたが、その中の取材先の1つは東京の田園調布にあり、時には家族みんなでリビングに立ちながらワインを飲んでいるというおしゃれな一家でした。

 通い詰めているうちにこの取材先とはかなり親しくなったのですが、結局のところ交渉は不調に終わり、日サ合弁は事業化を断念することになりました。その後、石油の安定調達の観点から、中東との連携強化が叫ばれたものの、石油元売りと中東との合弁事業は長い間、実現しませんでした。昭和シェルは2004年、サウジアラムコからの出資を受けていますが、今回、合弁事業をスタートさせれば、日本の石油業界にとって歴史的なことと言えるでしょう。

 2つ目の感慨は、合弁事業の対象が石油の精製ではなく、太陽光発電であるということです。1973年の石油ショック、1991年の湾岸戦争などを教訓に、エネルギー自給率が極めて低い日本は決して「油断」してはならず、常に石油や天然ガスなどの安定調達に精力を費やしてきました。その結果、様々な成果も上がりましたが、悲願だったサウジアラムコとの合弁がようやく実現に向かうことになった今、時代は既に「石油の世紀」から太陽光など「新エネルギーの世紀」へシフトし始めているということです。

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