これまで日本経済を牽引してきた自動車業界や電機業界が,世界的な不景気の深刻な影響を受けています。「私たちの就職活動は一体どうなるのだろうか」と不安に思う学生の方や,「自分の会社や部署は今後どうなるのだろうか」と心配する若手エンジニアの方もいらっしゃることでしょう。

 しかも,今回の不況は単純ではありません。「先進国中心から新興国中心へ」「高付加価値品から低価格品へ」「性能や物量重視から環境重視へ」というように,市場の需要構造が大きく変化しています。従って,これまでの解決策は通用しません。

 しかし,これはエンジニアにとって絶好の機会と捉えることができます。「市場の変化はむしろ新しい発展を遂げるチャンス」と言えます。例えば,市場の環境重視シフトに対応するための「低炭素社会の実現」です。省エネ技術や,燃料電池や太陽電池などの新エネルギー源は,地球環境問題の解決に大きく貢献します。長期的な視野で見ると,エンジニアにとっては新しく大きなチャンスが目の前に広がっています。

 本連載では,電機業界や自動車業界の取材経験豊富な日経BP社の編集長が,明日のエンジニアを目指す学生の皆さんや若手エンジニアの皆さんに熱いエールを送ります。