Tech-On! SPECIAL

新しいエネルギー社会を支えるTIのエネルギー戦略

第3回:次世代エネルギーシステムに高度な半導体技術で臨む テキサス・インスツルメンツの新エネルギー戦略


正田 博之 氏
日本テキサス・インス ツルメンツ株式会社 営業・技術本部 マーケティング/ 応用技術統括部 フォーカスド EEマーケティング マネージャ

エネルギーの供給から消費までが大きく変わろうとしている。地球温暖化対策などを背景に再生可能エネルギーへのシフトが始まる一方で,情報技術を活用して効率化を図るスマートグリッド技術が提唱され実用化の段階に進みつつあるからだ。このような新たな時代に向けて,長年にわたって半導体の歴史を刻んできたテキサス・インスツルメンツは,先進の半導体デバイスの提供によって新しいエネルギー社会を支えたい考えだ。

 地球温暖化や脱化石燃料化などへの対策を目的として,太陽光発電や風力発電に代表される再生可能エネルギーの利活用が普及するなど,世界のエネルギー事情が大きく変わろうとしている。このようなエネルギー観の大きな転換を迎えるなか,高度な半導体技術と幅広い製品ポートフォリオによって新たな価値の創造に努めているのが,世界的な半導体メーカーであるテキサス・インスツルメンツである。

 同社が注力するのが図1に示す四つの領域だ。「テキサス・インスツルメンツは,再生可能エネルギーの創エネを効率化する『Make it』,送配電を効率化する『Moveit』,そして電力利用の省エネを実現する『Use it』の3分野を,新たなエネルギーアプリケーションと捉え,製品の拡充と市場の開拓に務めています。また,周辺環境からエネルギーを回収する『エネルギー・ハーベスト』についても同様に注力しています」と,同社で新成長市場のマーケティング・マネージャを担当する正田博之氏は説明する。

ソーラーパネルの性能を引き出す分散型トポロジー

 まず創エネの効率化を支援する『Makeit』についてみていこう。再生可能エネルギーには風力や地熱などさまざまな種類があるが,同社がとくに力を入れて取り組んでいるのが太陽光発電だ。


酒井 正充 氏
日本テキサス・インス ツルメンツ株式会社 営業・技術本部 マーケティング/ 応用技術統括部 フォーカスド EEマーケティング エネルギー分野担当

 テキサス・インスツルメンツでは,ソーラーパネルが発電した直流電力を変換、制御するマイクロコントローラ,高性能・低消費電力のオペアンプ,A/Dコンバータ,温度センサ,アイソレータなど,太陽光発電に必要なほとんどの部品を提供中だ。

 このうち,インバータ/コンバータ回路を制御するマイクロコントローラとしては,「Piccolo」シリーズと呼ぶ高性能な32ビットリアルタイムコントローラ「C2000」ファミリを展開する。

 また,現在は複数のソーラーパネルを直列に接続する「集中型トポロジー」が一般的だが,将来はソーラーパネルそれぞれにインバータまたはコンバータを搭載した「分散型トポロジー」が主流になると目されている。そこで同社では,分散型に適した高効率の「マイクロインバータ」および「マイクロコンバータ」に最適な半導体や、ソフトウェアアルゴリズムの開発に取り組んでいる。

スマートメータ専用の超低消費電力マイコンと通信デバイスを提供

 「Move It」の領域では,スマートグリッドに対応したスマートメータの要素部品を重点的に供給する。スマートメータは家庭や企業に設置される電力メータに通信機能や他の機器の管理機能を設けたもので,時間帯ごとに変動する電力料金を送電網から受信して宅内のディスプレイに料金情報を表示したり,電力利用量を電力会社側に送信して遠隔検針を行うなどの機能を備える。

図1●テキサス・インスツルメンツが重点的に取り組む新エネルギー分野
図1●テキサス・インスツルメンツが重点的に取り組む新エネルギー分野
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 16ビットマイコン「MSP430」ファミリの「FE42x」シリーズはスマートメーター専用のマイコンだ。電力測定に適したΔΣ型A/Dコンバータのほか,電力量計算エンジン,セグメントLCDドライバなどを搭載している。

 宅内の表示デバイスとのワイヤレス通信には,Zigbee対応トランシーバ製品「CC2520」などを揃える。また,PLC(Power Line Communication)を使った系統との通信制御には,前出の「Piccolo」プロセッサが使用できる。

 「Use It」では,機器の省エネ化に貢献する低消費電力のマイクロコントローラをはじめ, 高効率インバータや普及が進みつつある LED照明ソリューションも展開する。

 また,LEDをフラットパネルテレビのバックライトに使うといった高度な応用には,32ビットコントローラ「Piccolo」によるデジタル制御ソリューションを提案する。デジタル制御の導入により、部品点数の削減,温度ドリフト等周囲環境依存の低減、ハードウェアプラットフォームの共通化による開発スピードの向上といった付加価値が得られる。電源コントローラとマイクロプロセッサの両方に強みを持つ同社ならではの包括的なソリューション提供といえるだろう。

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日本テキサス・インスツルメンツ株式会社
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