組込み用途でも,動画再生などCPUへの負荷が大きい機能が増えたことで,CPUの高性能化が必要になっているが,単純な周波数向上は組込みにとって大敵の消費電力増大を招く。その解決策として今回展示したのが,組込み用途向けのマルチコアプロセッサ「FR577」だ。SIMD命令とVLIWアーキテクチャで並列性を高め,1演算あたりの消費電力を80%削減したFR550コアを2個搭載したプロセッサで,少ない消費電力で複数の処理を同時に行うことが可能になる。
展示では,MPEG-2の動画再生と3Dのグラフィック描画を,それぞれのコアで同時に処理し,重ねて表示する様子を披露した。FR550コア1個で640×480ドットのMPEG-2動画103フレームを,0.7Wの消費電力で処理できるため,スムーズな映像再生を行いながら,もう1個のコアで,3Dで描いた動物を重ねて表示する様子がデモされた。コアごとに稼働状況を監視し,アイドル状態のコアがあればそこへのクロック供給を止めるため,特にMPEG-2の動画再生のように処理が早く終わるタスクがある場合は,消費電力の低減効果が大きいとしている。2コアのFR577だけでなく,4コア製品も参考出展した。
マルチコアの採用で課題となるのがソフト資産の対応だが,重い処理を別のコアへオフロード可能にするコア間通信ライブラリや,ロードバランサやデータ転送性能を上げるドライバーのライブラリなどを提供することで,マルチコア対応を支援していくという。