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「X-fest 2010 Japan」開催 AVNETの挑戦

Power
FPGAで重要性増すPOL電源製品を提供する日本エマソン
日本市場に合わせたきめ細かいサポートを推進

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半導体プロセスの微細化とともにFPGAの低電圧化が進み,高性能のPOL(point of load)電源製品が求められている。日本エマソン株式会社は,高密度実装を活かした小型,高効率の主力POL製品「LDO」シリーズと表面実装タイプの「LGA」シリーズを国内市場に投入し,FPGA向け電源ソリューションに注力している。同社のエマソン・ネットワークパワー エンベデッドパワー事業部で営業部長を務める須山 徹郎氏と,技術部長を務める小見 澄男氏に,同社の日本市場でのビジネス展開やPOL製品の特長,「X-fest」での講演の注目点などを聞いた。

——最初にEmerson社と電源製品を扱っているEmbedded Power事業部についてご説明ください。

須山 徹郎 氏
須山 徹郎 氏
日本エマソン株式会社
エマソン・ネットワークパワー
エンベデッドパワー事業部
営業部長

須山氏:米国にあるEmerson Electric Co.は,70程度の事業部を持ち,全社の売上高が約2兆5000億円(2008年度)にもなる大きな企業です。OEM電源製品の事業はEmbedded Computing & Power事業部門に属しており,1971年に創業された米Astec Power社が起源です。同社が1999年にEmerson社の傘下に入り,2006年に米国の電源メーカーのArtesyn Technologies社を,さらに2007年には米Motorola Inc.のEmbedded Communications Computing(ECC)事業をそれぞれ買収して現在の形になっています。この事業部門の下で,Embedded Power事業部は,組み込み用途向けスイッチング電源の開発,製造および販売を行っています。小型で高効率な製品が特徴で,スイッチング電源では世界トップクラスの会社です。主力製品の,AC-DC/DC-DCスイッチング電源製品のなかでも,特にサーバー・ストレージ向け電源では昨今の不況下においても販売数量を伸ばしています(国内)。またACアダプター製品は,携帯電話やノートパソコン向けに,世界の大手メーカーで数多く採用されています。医療機器向けも強く,医療用安全規格を取得したAC-DC電源のメディカルシリーズなど,多くの採用実績があります。

—— 日本でのビジネス展開はどのようになっているでしょうか。

須山氏:日本エマソンEmbedded Power事業部は,「お客様第一主義」の徹底を営業活動の基本的な方針に掲げています。例えば,評価用電源製品の短納期・小ロットのご要望を頂けば,DC-DCコンバータ1個でも納品させていただくことがあります。そのような少量個,短納期の要望にお答えできるよう,国内在庫を保有することにより,迅速な製品出荷に努めています。

 グローバル企業の強みとして,規模を背景にした価格競争力や技術力がありますが,日本のお客様に求められるようなきめ細やかな納品やサポートが難しく,商社の力を借りる場合が多くあります。弊社では,日本法人がそこに入ってお客様のご要求に耳を傾け,ともに問題解決をはかることで,満足度をあげていく努力をしています。

—— 日本では東京テクノセンターを2008年10月にスタートさせましたが,その目的は。

須山氏:日本市場では,品質面および供給面がたいへん重要視されますので,この施設は重要な位置づけとなっています。東京テクノセンターは東京都大田区平和島にあり,倉庫スペースと確認検査スペースの二つに分かれています。ここで日本法人としての製品の品質確認検査を実施した上でお客様に出荷しています。品質確認検査は日本でのビジネススタート時点から実施していましたが,需要増によりこのセンターを開設し,その体制および環境を強化いたしました。

  また,納品する製品に万全を期すと同時に,迅速なサポート体制も構築しています。現在,国内技術サポートを3名置いており,不良解析依頼に対しては,1次解析まで国内で実施し,迅速に回答するためのガイドラインを設けています。

—— FPGAで重要になるPOL(point of load)電源について,エマソンの製品の特長を教えてください。


小見 澄男 氏
日本エマソン株式会社
エマソン・ネットワークパワー
エンベデッドパワー事業部
技術部長

小見氏:われわれの電源製品の基本的な特長は小さいことです。高性能,高効率で小型化を実現した技術は,前身の電源専業メーカー時代から培ったものです。寸法は例えば,今回X-festでもFPGA向けにご紹介する「LDO 03Cシリーズ」(出力15W)の縦置きタイプで約15mm×9mm×5mm,「LGA Cシリーズ」で16mm角程度と非常に小型・薄型です。その小ささは実物を見ていただくと一目瞭然です。

 また,高性能の理由としては,電源関連部品を自社で内製していることもあります。トランス,コイル,プラスチック成形,ワイヤ・ハーネスなどすべて内製しています。部品の開発段階から自社で行うため,高効率の電源製品が可能となります。高精度のトランスをつくる工場は,最近ベトナムにも建設しました。

 POL主力製品には,小型・高効率「LDO」シリーズ(図1)と,表面実装タイプの「LGA」シリーズ(図2)があります。基本的な性能は同じですが,LDOは通常の同等製品に比べて7割−8割のサイズで実装面積をとらず,コスト・パフォーマンスの良い製品です。3A〜10Aの比較的大きな電流容量を必要とするアプリケーション向けです。

図1 お客様のサポート戦略
図1 POL製品「LDO」シリーズ
(クリックで拡大します)

  表面実装タイプのLGAは,ロープロファイルで高さに制約がある基板用に需要が多い新製品です。3A−20Aの電流容量に対応していますが,どの容量でもほとんど変わらないチップサイズを実現しています。また,抵抗一つで出力電圧を0.59 Vから5.1Vまで調整できることも利点です。たとえば,半導体の評価のために,10%出力を上下させることも容易にできます。

—— アヴネットとはどのように協業しているのでしょうか。

須山氏:アヴネットとはグローバルに協業しています。今回の「X-fest」に関しても,グローバルパートナーとして,全開催地での参加です。ザイリンクスのFPGAは、特に「Virtex®」と「Spartan®」ファミリに対して,対応する製品ラインナップをご用意しています。


図2 POL製品「LGA」シリーズ

 日本では,第一段階としてザイリンクス社FPGA向けDC-DCコンバータの提案に注力すると同時に,アプリケーション別,お客様別のソリューションを検討していきます。アヴネットはFPGAやDSP,マイクロプロセッサなどの半導体を扱う設計者とコンタクトしていますので,われわれがお付き合いのある電源関連の設計者とは異なるアプローチをすることで,お客様の幅が広がると考えています。

—— X-festの講演はどのような内容になるのでしょうか。

小見氏:X-festでは,ザイリンクスの新製品の評価ボードをベースにして,電源設計をする上での注意点などを説明します。多くの場合,設計者の悩みは,電源はあるが,使い方が分からないということです。たとえば,出力のコンデンサは何を使ったらいいか,どのように付けるべきか,パターンの引き回し方法,発熱対策,ボード上の配置方法,という勘どころをお伝えしたいと思います。

 最近はCADの能力が向上しているので,シミュレーションで様々なことが可能です。寄生容量やインダクタンス,パターンなどは,積極的にシミュレーションを取り入れて検証すべきです。しかし,電源系設計に関しては,CADを使ってすべて自動で行うことは危険で,必ずマニュアルで修正して最適な設計にする必要があります。このような設計上のポイントについて,電源メーカーの立場からお話させて頂く予定です。また,詳細についてX-festの展示ブースで,デモをご覧いただけます。個別のご質問等に関しても,アヴネットとサポートして参りますので,ぜひお気軽にお立ち寄りください。

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