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日本テキサス・インスツルメンツ
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コストと性能のバランスが取れたDSPが求められるなか,テキサス・インスツルメンツ(TI)ではTAS3xxxデジタル・オーディオ・プロセッサを提供している。オーディオ処理に特化した高性能な48ビットDSPコアを採用することで,高品質が要求されるオーディオ・アプリケーションの多様なニーズに応えることができる。2008年4月には,最新の「TAS3308」が発表されたばかりだ。 コスト・バランスに優れたオーディオDSPへのニーズが高まる
「TAS3103」では固定機能の3チャネル同時処理を実現しており,第2弾の「TAS3108」ではフルプログラマブルのオーディオ処理が可能となった。さらに,第3弾の「TAS3208」と「TAS3204」では,よりインテグレーションを進めてDSPコアに加え,ADCとDACも内蔵した。そして,2008年4月には,最新版となる「TAS3308」が発表されたばかりだ。 薄型テレビ,テレビ用スピーカー・バー,携帯デジタル音楽プレーヤー向けのドッキング・ステーション,ミニコンポ,マイクロコンポ,その他のオーディオ製品がターゲットとなる。 2007年に発表された第3弾の「TAS3208」と「TAS3204」はいずれも,135MHz,675MIPSの高い処理性能を持つ48ビットのオーディオ専用DSPと高性能のアナログ・データ・コンバータを1チップで搭載したオーディオ・プロセッサである。さらに,マイコンも搭載しており,制御や通信インタフェースなどの処理も1チップで実現できる。 DSP性能を20%アップ,ADCのダイナミック・レンジは100dBに最新の「TAS3308」は,第3弾の「TAS3208」と「TAS3204」と比較して,次の点で性能アップや機能追加を図っている(図2)。 ひとつがDSP性能の向上である。DSPのデータ・メモリ容量が768ワードから1024ワードへと大きくなり,演算性能が2000サイクルから2400サイクルへと20%向上した。 「データ・メモリ容量が大きくなったり,演算性能が向上することで,より複雑なアルゴリズムを搭載しやすくなります。DSPの性能にゆとりがないと,DSPそのものランクを上げる必要が出てきますが,それはコストアップとなってしまいます。このクラスのDSPで20%の性能向上はお客様にとって大きなメリットがあります」(大出氏)。 また,アナログ性能についても,ADCのダイナミックレンジが93dBから100dBへと向上した。 「一般にダイナミック・レンジが3ケタの100dBとなると高品質なデバイスといわれています。ディスクリート品ではそれ以上のものもありますが,TAS3308のように1チップにインテグレートされたADCで100dBのダイナミックレンジを持たせたものは希です」(大出氏)。 さらに,従来品が6チャネルのDACを搭載していたのに変えて,TAS3308では105dBのダイナミックレンジを誇る6チャネルのPWMを搭載した。これによって,デジタル・アンプを接続する際に,外付けのPWMが不要となりコストを抑えながらフルデジタルに対応できる。PWMにはDAC出力モードも搭載しているので,従来通りアナログ・アンプやアナログ入力タイプのデジタル・アンプも接続可能だ。 出力を6チャネル持っていることで,ステレオで3系統の出力ができる。たとえば,テレビでは1系統をスピーカーにし,もう1系統をラインアウト,残りをヘッドフォンに割り当てられられ,DSPでそれぞれの出力系統ごとに異なる補正をかけることができる。また,スピーカー・バーでは,6スピーカーによる5.1チャネルの出力を実現できる。 グラフィカルにシグナル・フローを設計できるツールも用意TAS3xxxデジタル・オーディオ・プロセッサのソフトウエア開発に向けて,「PurePath Studio」を用意した(図3)。PurePath Studioを用いることで,コンポーネントをドラッグ&ドロップするだけでグラフィカルにシグナル・フローを設計していくことができる。 モデルごとに異なるシグナル・フローを短時間で立ち上げたり,使用するコンポーネントや信号経路の変更などを用意に行うことができる。 「アセンブラ言語を用いた開発では,コーディングに加えてその検証まで含めると,何日も必要となることもありますが,PurePath Studioではオーディオ処理に必要となる基本的なコンポーネントはすべて用意されていますので,それらを組み上げていくことで極めて短時間での開発が可能となっています」(大出氏)。 写真1●「TAS3308」を搭載した評価ボードUSBバス・パワーで駆動する7cm×7cmの「ミニ評価ボード」(左),ステレオ20Wクラスのパワーステージ評価ボードを接続可能な「テレビ向け評価ボード」(中央),とテレビ向け評価ボードに接続するパワーステージ評価ボード(右) イコライザ,トーン,ボリュームなどの基本コンポーネントに加え,マトリクス・デコーダなどの高機能コンポーネントも活用できるようになった。コンポーネントのカスタマイズや機能拡張も可能であり,パートナーが開発したコンポーネントも充実してきた。 現在,次のTIのオーディオ・アルゴリズムをPurePath Studioで使用できる。すなわち,低音を強調する「TI Bass Boost」,2チャネルの入出力でバーチャル・サウンドを実現する「TI Virtualizer」,モノラル音源にステレオ感を与える「TI Mono to Stereo」,ステレオ音源から5.1チャネル・サラウンドを実現する「TI Stereo to Surround」,ニュースなどの音声を聞き取りやすくする「TI Voice Enhancement」などの高機能コンポーネントだ。これらのコンポーネントは,パートナーの開発したものも含めて今後も充実させていく。 さらに,TAS3308では,3種類のリファレンス・ボートを用意する。いずれも,パソコンに接続し,そこからPurePath Studioで作成したシグナル・フローをダウンロードし,リアルタイムにパラメータを調整して音作りを行うことができる。 写真2● TV用スピーカーバー評価ボードとスピーカーひとつが,7×7cmというポケットサイズの「ミニ評価用ボード」である。ポータブル・オーディオ・プレーヤとヘッドフォンがあれば,すぐに評価を開始できるものだ。また,「テレビ向け評価用ボード」も用意した。ステレオ/20WクラスのアンプであるTIのPWMパワーステージ製品を接続できる。これらはすでに,販売を開始している。 さらに,6チャネル/100WクラスのPWMパワーステージ製品を搭載した評価用ボードも開発しており,2008年下期からの販売を予定している。 コストと性能のバランスの取れたTAS3xxxデジタル・オーディオ・プロセッサは,多様な製品においてサウンドでの付加価値を高めることに貢献していくことだろう。 ET West 2008に新製品「TAS3308」デジタル・オーディオ・プロセッサを出展 TAS3308ミニ評価ボードプレゼント・キャンペーン実施中 ※掲載の会社名および商品名は,各社の商標または登録商標です。
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