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特集:製造部門はいらない
強い部分はより強く。弱い部分は切り捨てる。
この動きが,エレクトロニクス・メーカの
製造現場にも迫ってきた。
米国では自社生産に見切りを付け,
製造拠点を売却する機器メーカが増えている。
国内でも自社工場の売却が始まった。
その一歩を踏み出したソニーの決断とは…
           (今井 拓司)


1300名を擁する国内工場を ソニーが米社に売却

 2000年10月18日,宮城県加美郡のソニー中新田。その朝出社したとき,自分たちがソニーの社員でいられなくなることを,一体何人が知っていたのだろうか。  同日午後3時。皇居の程近くにある東京都内のホテルに現れたソニー 社長兼COOの安藤国威氏は,神妙な面持ちでこう告げた。「ソニーと米Solectron Corp.は,ソニーの製造拠点をSolectron社に譲渡することで合意に達しました」。

<第1部>危機感
台頭するEMS企業が 国内工場に自立を迫る

欧米の機器メーカが工場を売却する先は,
機器の製造を専門に請け負うEMS企業である。
付加価値の低い製造工程をEMS企業に任せることで,
機器メーカ自身は研究開発に専念できる。
開発と製造の明確な分離が,欧米メーカでは当たり前になった。
日本でもこうした役割分担が重要になるかもしれない。
旧態依然とした製造部門では,生き残りが難しい。

<第2部>打開策
独自技術かEMSか 岐路に立つ日本企業

機器メーカの製造部門が生き残る道は二つある。
一つは他社にマネできない高い製造技術を培っていく方法。
高周波で動作する基板の設計技術や小型化の技術など,
現在の得意技術に磨きをかける。
もう一つは,自らEMS企業の手法を取り込む道である。
EMS企業のやり方は,国内企業の常識とはかけ離れている。
秘訣は,部品や製造工程の徹底的な標準化にある。

<第3部>ソニーの回答
自社と他社を両天秤 競争原理を持ち込む

ソニーは製造部門を自立させるために二つの手段を用意した。
一つが製造部門のEMS企業への売却。
もう一つが,製造部門を統合し, あたかもEMS企業のように利用する方法である。
後者の可能性を探るため,2001年4月に,
製造子会社12社を統合した新会社を設立する。
それぞれを競い合わせることで,次なる道を早期に見きわめる。



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