LSI OPEN Collaboration

このサイト群について
LSI OPEN Collaboration
MeP OPEN Collaboration
SoC OPEN Collaboration
IP Award OPEN Collaboration
FPD Research

 >提携サイト
 NIKKEI MICRODEVICES
 Silicon Online




LSI総合

 発明工房からの提案詳細
半導体洗浄プロセスに新技術
オゾン水製造コストを1/5に削減

[2005/01/21]

 半導体の洗浄プロセスに使われているオゾン水の製造コストを大幅に低減できる。しかも,現状でのオゾン洗浄における課題の一つである濃度の経時変化や,この対策として投入する安定剤によるコンタミネーションの問題を解決できる,オゾン製造開始時に瞬時に立ち上がる,装置が小型で1,000時間連続運転が可能などのメンテナンスフリーを実現した,といった各種の利点を持っている。このような新技術を,ベンチャー企業の発明工房が,独立行政法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO 技術開発機構)産業技術実用化開発助成事業による開発支援を受けて開発した(NEDOの活動や他の支援企業については「ベンチャー・中小企業WATCHER」を参照)。「液相乱流による気泡の微細化技術」を使ったオゾン水製造技術である。従来使われてきたオゾン水製造技術を置き換える可能性が出てきた。

オゾン水の製造技術に一大変革を起こす可能性
 オゾン洗浄に洗浄液として使われるオゾン水は最終的に水と酸素に分解する。このため,環境汚染の原因になる化学薬品が不要であり,廃液を処理せずに済む洗浄技術として,すでに多くの半導体メーカーが導入しており,今後も適用範囲が拡大していく方向である。
 このオゾン水の製造技術には,2段階の工程がある。オゾンを発生させる工程とオゾンを超純水に溶け込ませる工程の2段階がある。オゾンを発生させる工程には,酸素ガス中で放電を起こしてオゾンを発生させる放電方式と,超純水中の水分子を電気分解してオゾンを発生させる電解法式がある。オゾンを超純水に溶け込ませる工程には,これまでオゾン・ガスの泡を単純に超純水中に送り込む方式や,密閉して加圧した超純水中にオゾン・ガスの泡を送り込む方式が使われてきた。今回は,このオゾンを超純水に溶け込ませる工程に,「液相乱流による気泡の微細化技術」を使っている。
 この技術の原理は以下の通り(図1図2)。超純水を狭い流路に高速で,かつ乱流が起こるように流す。この流路に直径1μm程度の微細な空孔を設け,ここからオゾン・ガスを供給する。この際,オゾン・ガスの圧力や超純水の流速を調整し,乱流によって生じた細かい渦に乗って連続的にオゾン・ガスが超純水中に出て行くようにしておく。これによって,液相乱流による超微なオゾン・ガスの気泡が超純水中に送り込まれ,オゾン水になる。

図1:微細気泡発生混入装置の構造図



図2:微細気泡発生混入装置の原理図



多数の特徴を持ち合わせる
 この方式の特徴は,従来の単純にオゾン・ガスを供給する方法や加圧する方法に比べて,オゾン・ガスの気泡が小さいことにある。発明工房会長の藤村靖之氏によれば,オゾン水中のオゾンには溶解と混合の二つの状態があり,超純水に溶解できるオゾンは10ppmで,残りは微細な泡が混合していると言う。このため,高濃度で濃度の経時変化が少ないオゾン水を作るには,微細なオゾン・ガスの泡を超純水中に送り込む必要がある。今回開発した液相乱流を使う方式は,まさにこの微細なオゾンの泡を超純水に送り込むため,高濃度で自己分解が少ないオゾン水を製造できるようになった。この結果,今回の技術を使って製造したオゾン水は濃度の経時変化が小さく,この対策として投入する安定剤が不要である。
 今回の技術を実現するために本質的に必要な機構部品は,微細な気泡を発生させるために直径1μm程度の空孔を壁面に設けたセラミックス製のパイプだけである。この周囲に超純水の乱流を発生させるためのアクリル製のパイプを組み合わせた部品を開発し,オゾン水を製造できることを確認済みである(図3)。このため,原理的にコンタミネーションの発生原因となる機構部品がない。上記の安定剤が不要なことと合わせ,原理的にコンタミネーションが少ない。ただし,現状ではコンタミネーションに関する実績データはなく,今後評価すべき技術項目になっていると,発明工房は言う。

図3:セラミック円筒にアクリル製のカバーを装着したテストピース



 この技術を基にオゾン水製造装置を試作(図4)し,この結果を基にオゾン水の製造コストを試算したところ,「詳細な評価は完了していないが,1/5程度になる可能性が高い」(発明工房)。主な理由は,市販のオゾン水発生装置が1,500万〜2,500万円であるのに対して試作結果からのコスト試算結果によれば数百万円で製品化できる可能性が高いこと,機構部品が少なく1,000時間連続運転が可能などのメンテナンスフリーを実現したこと,などである。
 また,今回の技術を使うとオゾン水の経時変化が少ないことからオゾン水を貯蔵するバッファ槽を設ける構造にしており,これによってオゾン製造開始時に瞬時に立ち上がるようにできる。さらに,効率良くオゾンを超純水に溶かし込めるため,オゾナイザを小型化できて装置全体が小型化できる。

図4:試作装置の外観


量産装置を開発中
 発明工房は現在,オゾン水製造装置に関する基礎データの評価を完了し,量産装置の開発を進めている。現在開発中の量産装置は,装置から50m先のユース・ポイントで,流量20リットル/分,濃度20ppmを想定した装置である。現状では,半導体・FPDに加えて食品,環境関連など,各分野における応用技術や専用装置の開発を検討している。特に半導体・FPD分野では,今後1年間でこの分野に必要な技術項目に関する実証実験を開発パートナと実施し,その上で2〜3年後にユーザーを開拓したいと言う。


 発明工房からの提案:
 半導体・FPD洗浄プロセスへの適用に向けた,
 用途技術開発や製品化技術開発のための共同開発パートナ企業の募集
詳細はこちら



Copyright (c) 2004-2005 TechnoAssociates, Inc. All rights reserved.
株式会社テクノアソシエーツ LSI OPEN Collaboration