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MePコアと独自IPをFPGAに集積したデモ・キット
プロセサ知識がない技術者が3カ月で完成
[2006/08/25]

 「MeP(Media embedded Processor)のようにカスタマイズが可能で,SoC(system on a chip)化できるマイクロプロセサは少ない。しかも非常に使いやすかった」。MePを使った感想を,大日本印刷電子デバイス研究所DNPひびきの研究センターセンター長の大住勇治氏はこのように語った。大住氏は,同社の画像処理補間演算(バイキュービック・スプライン補間演算)処理IP(intellectual property)をMePのハードウェア・エンジン拡張部に集積し,その回路をFPGA上に実装して画像拡大時にスケーリング表示処理を行うデモンストレーション・キットを開発した。マイクロプロセサの知識がなく,C言語を使った経験もない技術者が,MePおよび設計ツールを新たに学習し,わずか3カ月でデモ・キットを完成させた。本設計事例の詳細は,2006年9月15日に海運ビル(東京・千代田区)で開かれる「MeP World 2006 〜 FORUM & EXPO 〜」で紹介される。

日本セロックシカ製の評価ボード上のFPGAに実装
 本デモ・キットでは,設計した回路が日本セロックシカ製の評価ボード「RC300E」上のFPGA(米Xilinx社製「Virtex-UXC2V6000-4」)に実装されている。この回路はMePコアと独自開発のIPなどで構成され,MePの機能拡張の1つであるハードウェア・エンジン拡張を使って設計されている(図1)。従来のバイリニア方式で画像を拡大すると,画像の境界領域はボケた状態で拡大される。これに対してバイキュービック・スプライン補間演算処理を使えば,拡大画像の境界領域もスムーズに表示できる(図2)。

 本デモ・キットの動作は次の通り。評価ボードに用意されているタッチ・スクリーンを使って,拡大率や拡大領域のX-Y座標を指定する。するとハードウェア・エンジンの制御レジスタに拡大率などが書き込まれる。それとともにMePコアに割り込みがかかる。MePコアは制御レジスタから拡大率を読み出し,演算処理(除算)を行い,結果を制御レジスタに書き込む。ハードウェア・エンジンは,制御レジスタに書き込まれたデータをもとにメモリーから原画像を読み出し,バイキュービック・スプライン補間演算を実行し,その結果をメモリーに書き戻す。その後,ハードウェア・エンジンに組み込まれている画像出力回路がメモリーから拡大画像を読み出し,スクリーンに表示する。

 設計ツールには日本セロックシカの高位設計検証環境「DK Design Suite」を含む「MeP デザイン・キット」を使った。DK Design Suite にはC言語ベースの動作記述言語「HandelC」が用意されており,HandelCが備える関数を使えばメモリーの書き込みと読み出し,スクリーンへの出力などを簡単に記述できる。例えば,メモリーへのアクセスは2行で記述できた。大住氏はMeP デザイン・キットを使えば,デモ・キットの作製やIPの検証が簡単にできると言う。同氏は,今後,MeP デザイン・キットを映像処理へも展開したいとした。

図1:バイキュービック・スプライン補間演算処理を行う回路のブロック構成図
図1:バイキュービック・スプライン補間演算処理を行う回路のブロック構成図

図2:バイリニア方式の拡大画像とバイキュービック・スプライン補間演算処理の拡大画像の比較
図2:バイリニア方式の拡大画像とバイキュービック・スプライン補間演算処理の拡大画像の比較
 今回の設計には,日本セロックシカの「MeP デザイン・キット」に含まれる最大構成のMePデータを使った。このためMePコアがFPGAに集積された全スライスの44%を占有していた。しかし,機能的には最大構成のMePを使う必要はない。占有率はもっと低く抑えられる。ハードウェア・エンジンのスライス占有率は19%だった。

「MeP World 2006」
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