| 問 まず福田氏が委員長を務めるアドバイザリボードについて教えて欲しい。 |
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答 |
アドバイザリボードは,ASPLA発足と同時に設置された。ASPLAへ参加しているLSIメーカー5社から各2名ずつが参加し,プロセス開発や会社運営の状況について説明を受け,それに対して意見・提言などを述べてASPLAがより良い方向に進むようにするのが役割である。具体的には,ASPLA発足当初からASPLAの各部門長との会合を1ヵ月に1回の割合で実施し,ライン運営,マーケティング,予算などについて達成度や進ちょく状況を把握し,問題点の洗い出しと解決に向けた方向性を話し合っている。 |
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| 問 LSIメーカー側からASPLAに意見を言う立場として,ASPLAスキーム自体の必要性をどのように感じているか。 |
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答 |
元々LSIは一つの製品を大量に作ることで利益を得られる構造になっていた。その一方でロジックLSIへのニーズは多様化するので,その折り合いを付ける必要があった。その中で,1970〜1980年代にはLSIそのものは同一のままソフトウェアで多様化に対応するマイコンが隆盛を極めた。しかし,1990年代以降はソフトウェアだけでは増え続ける多様化に対応しきれなくなった。この結果,LSI設計段階から対応して製造は共通化するファブレス−ファウンドリ・モデルが登場し,さらに最近ではプロセスそのものまで多様化させる混載技術や,多様化をパッケージ技術で対応するSiP(system in package)技術が注目されるようになってきた。しかし,単純に多様化に対応していくと開発すべき項目が増えすぎて,開発コストがかかりすぎる弊害が起きる。開発コストがかかりすぎれば,それは製品価格に跳ね返り,ユーザーがその価格を許容できなくなってしまう。現在のSoC(system on a chip)が抱える大きな問題の一つが,これである。
この問題を解決するには,共同開発や標準化が有効である。もちろん,企業同士には健全な競争が必要であり,それに関わる差異化技術は独自に開発する必要がある。しかし,それ以外の技術の独自開発にこだわることは,コスト増要因と言える。また,プロセス技術の基本的な部分は収れんしており,各社で大きな差はない。このような観点からプロセス開発・試作のオープン・コラボレーションは必然の方向であり,ASPLAの活動は意味のある活動である。ここで大事なのは,共通点を見出すことである。例えば,5社では共通点が少なすぎて標準化の効果が出にくければ2社と3社に分けて共通化しても良い。大事なことは標準化・共通化によるコスト削減であり,この共通基盤の上で機能する差異化技術を各社が独自に開発することである。 |
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| 問 これまでのASPLAの活動実績をどのように評価しているか。 |
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答 |
95%のことが当初のスケジュール通りに開発できており,技術開発は順調に進んでいると思う。特に現場のエンジニアがすばらしい。限られた人員や予算の中で非常に頑張っている。この結果が,シャトル運用の開始という成果になって表れてきた。さらにASPLAから各LSIメーカーに移管すべき技術やドキュメントなどもほぼそろっている。残りの部分に多少のトラブルなどを抱えているが,これは一般企業の開発においても生じる問題であり,本質的なトラブルではない。早晩解決していくだろう。この意味で基本的な技術などの開発はほぼ完了したと言える。
このように開発が順調に進んだ要因の一つに,ASPLAでは問題を先送りしないで不完全でも良いからその場で決めていくようにしたことがある。アドバイザリボードとASPLAの各部門長との会合を1ヵ月に1回の割合で実施してきたことはすでに述べたが,そこでもスピードを重視して結論を出していった。さらに,会議だけではなく,ASPLAを中心に日ごろからの連絡も密に取り合っており,技術的な議論ができる仕組みを設けることができたことが良かったと感じている。
今後は,完成したプロセス技術やシャトルの能力を評価していき,その実績を持ってLSI各社にASPLAの成果の導入を図っていくことになるだろう。具体的には,プリミティブ・セルなどを使った評価を実施し,さらにLSIメーカーのチップやVDECを通じた大学のチップを試作して,実績を積んでいく。そういった流れの中で,よりブラッシュアップされたASPLAのプロセス技術がLSI各社に移管されてゆくものと考えている。 |